消防設備について
建物の防火・防災に欠かせない
各種消防設備。
タイムランでは、用途や施設規模に
応じた最適な設備を
ご提案・施工しています。
ここでは、代表的な消防設備に
ついてご紹介します。
-
自動火災報知設備(自火報)
火災時の煙や熱を感知し、火災をいち早く知らせる設備。感知器・発信機・受信機が連動し、建物内に火災発生を通知します。
自動火災報知設備は「自火報(じかほう)」とも呼ばれ、火災時の煙や熱を感知して、警報音で建物内の人々に危険を知らせる設備です。火災発生をいち早く知らせ、避難や初期対応の時間を確保する、消防設備の“先発隊”ともいえる存在です。
主な感知器の種類
- 差動式スポット型感知器(熱感知器):温度変化の速さを感知
- 定温式スポット型感知器(熱感知器):一定温度に達したときに反応
- 光電式スポット型感知器(煙感知器):煙を感知
よくある誤解:住宅用火災警報器との違い
自動火災報知設備が必要な建物では、電池式の住宅用火災警報器では代替できません。
用途や規模に応じた専用の感知器・システムの設置が必要です。 -
消火器
初期消火に欠かせない消火器。設置義務に応じた種類・本数の選定と、使用期限に応じた交換対応。
消火器は、火災発生時に初期消火を行うための最も身近で重要な設備です。東京消防庁の調査では、消火器を使った初期消火の成功率は約77%とされており、火災被害を最小限に抑えるために欠かせません。
- 粉末消火器:幅広い火災に対応可能。多くの建物で使用されています。
- 強化液消火器:油火災(例:天ぷら火災)に強く、厨房などに最適です。
腐食した消火器は危険です
消火器本体が腐食していると破裂の危険性があり、大事故につながる恐れがあります。万一の事故を防ぐためにも、古い・錆びた消火器は使用せず、早めの交換・適切な処分をおすすめします。
消火器の処分方法
消火器は通常のゴミとしては廃棄できません。使用期限切れや不要なものは、販売店や専門業者を通じてリサイクル処理されます。環境にも配慮した正しい処分をお願いします。
-
誘導灯・非常灯
災害時の避難を助ける照明設備。停電時でも点灯し、避難経路を明示する役割を担います。
誘導灯は、火災時の煙や停電でも避難方向を示すための照明です。出入口や通路などに設置され、建物の規模に応じてサイズや明るさが異なります。停電時も内蔵バッテリーで点灯し、安全な避難をサポートします。突然の停電で建物内が真っ暗になった際、避難行動をサポートするのが非常灯です。照明のない空間での転倒・混乱を防ぎ、誘導灯と併せて避難経路を明るく照らします。非常灯にもバッテリーが内蔵され、平常時に充電し、緊急時には30分間点灯を継続します。
バッテリーの持続時間
- 誘導灯:標準は20分持続。
※大型建築物では60分タイプが義務付けられる場合もあります。 - 非常灯:30分間の持続が必要です。
- 誘導灯:標準は20分持続。
-
連結送水管
高層建物などで、消防隊が消火用水を迅速に供給するための設備。外部から消防ホースを接続し、建物内部へ送水します。
連結送水管は、ビルやマンションの上層階へ消火用の水を送り込むための配管設備です。
火災時には、消防車から送水口にホースを接続して水を圧送し、各階の放水口から消防隊が消火活動を行います。- 配管内に水を常時ためておく「湿式」
- 使用時のみ水を流す「乾式」
などの方式があり、建物の構造や規模に応じて設置されます。
上層階への水圧低下を防ぐため、必要に応じてブースターポンプを設置します。耐圧試験の義務
- 連結送水管は屋外に露出している箇所も多く、雨や湿気で配管が腐食する恐れがあります。そのため、以下のような定期的な検査が義務付けられています。
- 竣工後10年目に耐圧試験を実施
- 以降は3年ごとに再検査が必要
- 穴や腐食によって放水圧が低下すると、消火活動に重大な支障をきたすため、確実な点検が必要です。
-
屋内消火栓設備
建物内部に設置され、火災初期に使用できる消火設備。消火栓ボックス内にホースとノズルが格納されています。
屋内消火栓は、建物内の各階に設置された初期消火用の放水設備です。火災発生時に、ホースを引き出して火元に向かい、自ら放水して初期消火を行うことができます。内部の配管は水源と接続されており、消防隊が到着する前でも大量の水を使った迅速な対応が可能です。
- 1号消火栓:2人で操作するタイプ(主に大規模施設)
- 2号消火栓:1人でも操作可能(中小規模施設向け)
使用の流れ(1号消火栓の場合)
- 起動ボタンを押す(ポンプ作動)
- ホースを火元まで引き出す
- バルブを開放し放水する
-
スプリンクラー設備
火災時に自動で散水して消火を行う設備。火災感知と同時に、局所的に水を散布し延焼防止に寄与します。
スプリンクラーは、火災の熱を感知して自動で放水する初期消火設備です。スプリンクラーヘッドのヒューズが熱で溶けると水が放出され、即座に火災を抑えます。消防法により11階以上の高層建築物では設置が義務化されています。
スプリンクラーヘッドの種類(作動温度)
設置場所の環境に応じて、スプリンクラーヘッドの作動温度が異なります。
- 72℃タイプ:一般的な室内向け
- 96℃タイプ:厨房など高温になりやすい場所に
- 139℃タイプ:サウナなど高温環境向け
圧力テストについて
スプリンクラー設備には、末端試験弁と呼ばれる点検用バルブが設置されており、
配管の末端で適切な水圧が得られているかを確認するために使用されます。